【通所リハビリの運営】事業所の目的・目標の考え方【マネジメント勉強】

megane
本記事でわかる事
  • 事業の目標設定の考え方
  • 通所リハビリ管理職の考えかた
  • 通所リハビリ事業の考え方

参考書籍はこちらです。

あなたの通所リハビリ事業は何ですか?

顧客と成果から通所リハビリ事業を

考えていきます。

本記事では、通所リハビリ事業の目的・目標設定に向けての

私の考え方をまとめています。

部署・事業のスタッフに向けて提示する目標設定に悩んでいる方の

参考になれば幸いです。

Check!! 「目的」と「目標」違い

目的:到達したい事柄

目標:目的に向かうための指標・方向性

通所リハビリには定義・基本的機能があります。

しかし、定義と通所リハビリ事業の目的は異なると考えています。

老人保健施設の運営する利用時間が長い通所リハビリ

クリニックの運営する短時間でリハビリのみ提供する通所リハビリ

この2つの通所リハビリの事業目的は異なりますよね。

長い時間の通所リハビリは食事・入浴などの生活支援を含むサービス

短い時間はリハビリや機能訓練を中心としたサービス

サービス内容によって、利用者層も異なります。

それぞれの事業の目的・状況によって、提示する目標を考えていきます。

まずは、事業の枠組みから考えていきましょう。

枠組みのなかで事業運営している

介護保険の【通所リハビリテーションの枠組み】を利用して

老健・病院・クリニックが【通所リハビリ事業】を運営している

その為、事業母体の目的・考え方に応じた

運営・目標設定をする必要があると考えています。

書籍の内容を参考にしながら、通所リハの運営に落とし込んで説明していきます。

通所リハビリとは

まず、通所リハビリの枠組みに関しての考え方になります。

通所リハビリの定義

居宅要介護者について、介護老人保健施設、病院、診療所その他厚生労働省令で定める施設に通わせ、当該施設 において、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション

社保審-介護給付費分科会 第141回(H29.6.21) 参考資料4 より引用

通所リハビリの紹介

通所リハビリテーションは、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、利用者が通所リハビリテーションの施設(老人保健施設、病院、診療所など)に通い、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供します。

厚生労働省 介護サービス情報公表システムより引用

通所リハビリの役割
  • 身体機能の維持・回復
  • 日常生活の支援(入浴・健康管理・食事)
  • 社会性の維持・回復(閉じこもり予防)
  • 介護者負担の軽減(レスパイト機能)
※Check レスパイト:respiteの意味

一時的休止、小休止、休息期間

ここをもとにして、事業の目的を考えていきます。

地域・運営母体・規模・考え方によって変わってくると思います。

デイケア管理職PT
デイケア管理職PT

これを考えるとき【顧客:コキャク】から考えるとあります。

では、通所リハビリの顧客は誰でしょうか?

通所リハビリ事業の【顧客】は誰ですか?

Check 顧客とは?

おとくいの客、商業などによっては、物・商品・サービス・アイディア等を販売する対象。クライアント、買い手、購入者、ユーザー。

ここでは、【お金を出す側】を、顧客として考えます。

顧客を考える

あなたの【通所リハビリ事業】に【お金を出す】のは誰ですか?

わたしの通所リハビリ事業の顧客のとらえ方

  • 利用者
  • 利用者家族(介護者)
  • 事業母体(病院・老健・クリニック等)
  • 日本(厚生労働省)

利用者・家族については以前から認識していました。

ここで、事業母体・日本を顧客として認識することで考え方の幅が広がります。

これらの顧客が何を求めているか?何を買っているのか考えていきます。

利用者は何を買っているか?

利用者は何を買っているか?

機能訓練や日常生活支援などの直接的なサービスを受けて、利用料を支払います。

目的や目標に応じて支援内容が変わってきます。

利用者家族(介護者)

間接的にサービスを受けて、利用料を支払います。

利用料の支払いを直接しているわけではなくても、利用希望を伺うことが多いです。

家族・介護者は何を買っているか?

家族・介護者が何を買うのか?
  • 時間(レスパイト機能)
  • 利用者本人の維持・改善
  • 利用者本人の希望に沿ってもらえるサービス

このように考えます。

特に、レスパイト機能を考えたときに

【家族が安心して預けられる事業所】が重要です。

事業母体は何を買っているか?

事業母体(病院・老健・クリニック等)はなにを買うか?

通所リハビリ事業運営の為に、人を雇い、設備を整え、サービス提供の土台を作っています。

わたしたちに給料を支払い、必要な物品を購入する事業母体は

なんの為にお金を掛けているのでしょうか?

  • 収益をあげる
  • 病院事業としての目的がある
    • 入所の窓口として
    • 退院後のフォローアップの手段として

収益は重要です。しかし、通所リハビリは収益が見込みやすい事業ではありません。

通所リハビリの収支差率は1.8%

(令和2年度介護事業経営実態調査より引用)

平成29・30年から減少傾向です。

※Check:収支差率とは 【(収入-支出)÷収入】の%

収入から支出を引いて、残る割合です

収益が上がりやすい事業でなければ何が目的か?

これは、事業母体の方針・運営理念が土台になります。

病院や老健などの運営が何を考えているか、どのような方針かを考えましょう。

介護保険の通所リハビリテーションの枠組みの中で、サービス提供することで【介護報酬】を事業者に支払います。

日本はなぜ通所リハビリにお金を掛けるのか?

日本はなぜ介護保険事業を作ったか?介護保険の歴史を知ると

理解が深まります。

現状で私は、日本の人口動態・日本の人口推移が重要だと考えています。

日本の人口推移のポイントは【人口減少・少子高齢化・平均寿命の延伸

人口減少・少子高齢化・平均寿命の延伸を広い視点で考える

働き世代が減少する

日本の経済・生産性が減少する

日本の税収が減少する

働く世代が高齢者を支える税負担が増加する

次に

人口減少・少子高齢化・平均寿命の延伸を小さい視点で考えてみます

高齢の親を持つこども目線で考えてみる

親が高齢になり、生活の中でできないことが増えて

介護保険が必要な状態になる。

兄弟はいるが、遠くで生活している。

親の世話は自分がしないといけない。

高齢の親目線で考えてみる

病気の後遺症で最近体が動きづらくなってきた。

家でできないことも増えたので、子どもに助けてもらわないといけない。

子どもは2人だけど、1人は遠くにいるから、近くにいる子供ばかりに負担をかけて申し訳ない。

たとえ話ではありますが、このようなケースはよくあると思います。

この場合の社会損失を考えたときに

以下の図のように、負のスパイラルで様々な負担が増加します。

以上のことから、日本が何を目的にしているか考えてみます。

通所リハビリの定義の一文を参考に

日本(厚生労働省)はなにを買っているか?

要介護者の

「心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助ける」ことで

働く世代が働きやすくなり、日本の経済・生産性を維持する

すると、社会保障の為の税収を維持することができる。

もちろん、税収維持が最大目標ではありませんが重要な視点だと思います。

高齢者・介護者の生活維持することは、社会保障の維持することにつながる為

通所リハビリの仕事自体が社会貢献になります。

※重要!!通所リハビリ事業管理職の【顧客】を考える

通所リハビリ事業管理職の顧客は上記の項目に加えて、重要な顧客がいます。

それは、事業スタッフ・職員です

スタッフは事業運営に関して必要不可欠です

スタッフの成果は何か?

スタッフは事業に対して、労働力を出して、収入という成果を得ている

前項では、顧客の定義を【お金を出す側】と定義しましたが

スタッフはお金にの代わりに【労働力】を出しています。

参考書籍の中に「人こそ最大の資産である」とあります。

まったくその通りだと思います。

私自身は

管理職の重要な仕事は、彼らがより良い働きをする為に、何ができるか考えること

だと考えています。

通所リハビリ事業の目標を考える方向性

  1. 運営母体の方針・理念を考える
  2. どのような利用者層が利用しているか?
  3. 利用者家族はどのような状況か?希望があるか?
  4. 日本におけるメリットは何か?

このようなポイントで通所リハビリ事業の目的を再確認しました。

ここらから目標を設定してきましょう。

目標設定に関しては

  • 目的は何か【状況を把握する
  • できていないことは何か【課題を抽出する
  • 何をしたらよいか【改善点を見つける
  • 改善点に向かって何をするべきか【方向性を提示する・目標設定する

このようなポイントを確認しながら、目標設定してはいかがでしょうか・

書籍の文章を参考にすると

「通所リハビリ事業を定義するのは顧客である」

という考え方を土台にしています。

それぞれの事業所の実情に応じて、「事業の目的・定義」を再確認されると良いと思います。

スタッフに提示し、事業運営の方向性を共有し、目的に向かって行動しましょう。


マネジメント 基本と原則 [ ピーター・ファーディナンド・ドラッカー ]

ご拝読ありがとうございました。

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