理学療法士の転職方向性と転職エージェントの活用
転職活動に転職エージェントを活用しよう!!
複数のエージェントに依頼して
効率的に多くの情報収集を!!
転職先の希望を具体的にしよう!!
希望する転職先がなければ、保留するのもあり!!
勤務先を変えることは人生の大きな転換期の一つです。
現在の職場に不満がある、キャリアアップとして職場を変えたい。
転職の目的は人それぞれですが
現状の仕事をしながら転職先を探すのは大きな負担ですよね。
理学療法士は直近5年間で、毎年約1万人の国家試験合格者がおり
養成校も増加傾向です(2023年3月時点)
【公益社団法人理学療法士協会/統計情報】
また、理学療法の質の担保【JPTA NEWS 2022.10 vol.339】が
トピックスになることもあり
転職を考えたときに自分自身のキャリアと向き合うときに
不安に感じることもあるかもしれません。
私自身、職場での不満があり実際に転職した経験があります。
自身の経験から
これから転職を考えている人・転職に不安を感じている人の参考になれば嬉しいです。
目次
【メガトレンド】日本の人口構造の変化
- 日本の人口は減少し続けている、少子高齢化社会が加速する
- 2025年に高齢者の山はピークを迎える(推計)
- 2040年に高齢者数の増加するピークがある(推計)
- 高齢化社会の日本でリハビリテーションや介護予防といった理学療法士が取り組む仕事はある
将来の理学療法士の仕事を考えたときに
日本の人口構造に注目することが大切だと思います。
医療・介護の現場ではリハビリテーションの対象者は高齢者が多い傾向です。
脳卒中や大腿骨近位部骨折後の支援は珍しくないですよね。
理学療法士として仕事を続けていくと考えたとき、
高齢者の人口は大きな影響もたらします。
総務省統計局や厚生労働省のデータから
日本の人口は減少していき、少子高齢化社会が加速することが示されています。
学会などでも示されることが多い為、目にする機会も多いデータではないでしょうか?このデータでは団塊の世代と団塊ジュニア世代の2つの山に着目します。
団塊の世代(1947年~1949年生まれ)が75歳以上なる2025年
団塊ジュニア世代(1971年~1974年生まれ)が65歳以上になる2040年
一旦、高齢者数がピークアウトして、2040年に向けて再度増加する人口推計のなか
理学療法士に求められることは多いでしょう。
しかし、需要はあっても供給される数も多い理学療法士は
収入が極端に増加することはないと考えています。
では、就職先に何を求めるのか?
その方向性を考えていきましょう!!
転職・就職活動の方向性
自分の希望を具体的にする
これから仕事をしていくとき、何に重点を置きますか?
場所、領域、収入、プライベートの時間?
これは、一人ひとり違います。
その中で、【仕事をして収入を得るうえで、何が重要か?】を
具体的にすることが重要です。
小さな事業所に就職。職員の数が少なくて給与水準は低い。
昇給も少ないので長期的にみて年収増加が見込めない
具体的な給与規定も示してもらえない。
職員数が少ない為、有給消化もできない。
このような状態から、私が考えた方向性は
大きな会社にしよう(組織管理・福利厚生がきちんとしている)
長く勤めれることろにしよう
出来れば有給消化がしやすいところが良い。(職員数がいる)
仕事の場所はどこでも良いな~
このような方向性で、転職先を探しました。
自分の希望が100%かなうところはありませんが
自分の優先順位を明確にすることで就職先選択の基準になります。
また、転職後に「ああすればよかった」などと後悔をすることも減りますし
次の転職に活かすこともできます。
わたしは、リハ職が40~50人規模の、慢性期・回復期病院に転職しましたよ。
初任給は低いですが、昇給はそこそこで
スタッフ数がいるので大幅に有給使用数が増えました。
私の場合は大きな事業所に変えて、良かったです。
どこで働く?(地域と領域)
介護分野の年収は医療分野より55万低い
医療分野479万
介護分野419万
平成28年の医療従事者の需給に関する検討会 理学療法士・作業療法士分科会(第2回)資料2での報告を参照。
介護分野の年収が低い傾向にある為
収入を優先している場合は医療分野を選ぶべきでしょう。
しかし、介護分野のすべてが低水準ではないので
多くの求人情報を収集して比較しましょう。
地域による高齢化率の差
働く地域も考えないといけないでしょう。
住み慣れた場所?仕事のある場所?好きな場所?目的は様々だと思います。
我々、理学療法士の多くの対象となる高齢者の人数、高齢化率は
地域によって差があります。
日本の65歳以上の割合は28.9%(総務省統計局人口推計/令和3年10月1日時点のデータより)
1位 東京都 22.9%
2位 沖縄県 23.1%
3位 愛知県 25.5%
1位 秋田県 38.1%
2位 高知県 35.8%
3位 山口県 35.0%
(総務省統計局人口推計/令和3年10月1日を参考/人口単位:千人)
地域の高齢化率によって、急性期病院も多いのか?介護分野が多いのか?求人傾向の参考になると思います。
希望する領域が決まっていれば、働く場所の高齢化率の傾向は、就職先選択の参考になります。
都道府県別の高齢化率(低い順)表
都道府県 | 人口(千人) | 65歳以上(%) |
---|---|---|
東京都 | 14010 | 22.9 |
沖縄県 | 1468 | 23.1 |
愛知県 | 7517 | 25.5 |
神奈川県 | 9236 | 25.7 |
滋賀県 | 1410 | 26.7 |
埼玉県 | 7340 | 27.2 |
大阪府 | 8806 | 27.7 |
千葉県 | 6275 | 27.9 |
福岡県 | 5123 | 28.2 |
宮城県 | 2290 | 28.6 |
京都府 | 2562 | 29.6 |
兵庫県 | 5432 | 29.6 |
栃木県 | 1922 | 29.6 |
広島県 | 2779 | 29.8 |
石川県 | 1125 | 30.0 |
茨城県 | 2852 | 30.2 |
三重県 | 1756 | 30.2 |
静岡県 | 3607 | 30.5 |
群馬県 | 1927 | 30.6 |
岡山県 | 1876 | 30.7 |
岐阜県 | 1962 | 30.8 |
福井県 | 761 | 31.0 |
佐賀県 | 807 | 31.1 |
山梨県 | 806 | 31.3 |
熊本県 | 1729 | 31.9 |
奈良県 | 1316 | 32.1 |
香川県 | 942 | 32.2 |
福島県 | 1812 | 32.3 |
長野県 | 2033 | 32.3 |
北海道 | 5183 | 32.5 |
鳥取県 | 549 | 32.8 |
富山県 | 1026 | 32.8 |
鹿児島県 | 1576 | 33.1 |
宮崎県 | 1060 | 33.1 |
新潟県 | 2178 | 33.2 |
長崎県 | 1296 | 33.6 |
愛媛県 | 1321 | 33.6 |
和歌山県 | 914 | 33.7 |
大分県 | 1115 | 33.7 |
岩手県 | 1197 | 34.2 |
青森県 | 1222 | 34.3 |
山形県 | 1055 | 34.3 |
島根県 | 665 | 34.4 |
徳島県 | 712 | 34.7 |
山口県 | 1328 | 35.0 |
高知県 | 684 | 35.8 |
秋田県 | 945 | 38.1 |
プライベートの時間が取れやすい?
残業がない、勤務時間が安定している。
就職先の勤務状況の詳細は働いている人にしか分かりません。
直接人事担当者に問い合わせることも心情的に困難です。
私の友人の話ですが
小さな事業所でセラピストの人数が少なく
21~22時までの残業は当たり前と聞いていました。
その分、給与は高い傾向のようです(残業せざるを得ない為ですね)。
自分に合った職場探しの情報収集をする為には、横のつながりが重要です。
友人や同級生、または理学療法士会などでできたつながりなどです。
しかし、このような人脈が少ない場合には
転職エージェントを活用した情報収集が役に立ちます!!
転職先の選択について多くの情報を有している為
参考にできることが多いでしょう。
転職エージェントとは
代理人・斡旋人・仲介者のことを意味する。
つまり、自分の代わりに転職活動してくれる、
【転職代理人・転職代行業者】ということです。
転職エージェントの利点
- 無料で利用できる
- 自分の時間を使わなくてよい
- 専門的な情報収集ができる(求人紹介や面接対応)
転職エージェントを活用することで、自分の時間を有効活用できます。
転職活動は大きな労力が必要な為、最初の一歩を踏み出すことが困難です。
転職エージェントは現在の仕事と並行して、情報収集してくれるので
忙しい方々でもすぐに転職活動を始めることができます。
専門のスタッフが対応してくれる為
探しづらい求人情報やエージェント独自の情報網で
状況に応じて提案してくれます。
転職エージェントの注意点
地域によって得意・不得意がある
転職エージェントは複数ありますが
エージェントによって得意な地域・そうでない地域があります。
実際に転職活動を始めるときには
複数の転職エージェントに依頼して効率的に情報収集しましょう。
転職エージェントを有効活用する為に!!
相手の立ち位置を知る
これは、転職エージェントに限った話ではありません。誰かから物を買う、仕事上協力・依頼することがあるとき、相手の立ち位置を知ることが重要です。
相手の立ち位置を知るとは、どこから報酬を得ているかを知る事です。
例えば家電量販店などの販売員なら、会社から給料を得ています。
その給料は消費者の支払ったお金から支払われます。
収入を得る為、販売員は良い商品を売ろうと頑張ります。
では、転職エージェントはどこから報酬が支払われるのでしょうか?
転職エージェントは無料です。では、どこから収入を得ているのでしょうか?
それは、転職先から、紹介料が転職エージェントに支払われる為です。
収入の為に、エージェントは様々なところを紹介してくれますが
希望に沿わないところに就職する必要はありません。
しかし、100%希望に合う求人は少ないのも現実です。
そこで、重要になるのが自分自身の方向性です。
この転職に何を求めるのかを確認しましょう。
きちんと方向性が転職エージェントに伝われば
希望にあう、より良い転職先を提案してくれる可能性が上がります。
まとめ
- 転職エージェントを活用して転職活動しよう
- 転職エージェントは無料で利用できる
- 転職エージェントは複数登録して、効率的な活動を
- 転職先の希望は具体的にしよう
- 希望に合ったところがなければ転職しないも選択の一つ!
転職活動は多くの時間と労力を必要とします。
現在している仕事と同時進行で行う転職活動は思うように進まないのも事実です。
ですが
モチベーションの上がらない現職場で悶々としながら働き続けるくらいなら、
自分以外に転職活動をお願いして、働きやすい・生活しやすい職場を選びましょう。
今すぐ希望に見合う求人がなくても、転職エージェントに登録していれば
求人が出たタイミングで声掛けをしてくれます。
転職活動には、転職エージェントを利用して、自分に合った仕事場を探しましょう。
ご拝読ありがとうございました。