理学療法士平均年収は?管理職だといくら?気になる待遇のポイント!!
- リハビリ職と日本の給与所得者の平均年収とその差
- 管理職の年収
- 管理職手当以外の確認ポイント
- 長く勤めるべき職場
- 理学療法士を取り巻く環境
- リハ職収入ランキング【年齢・経験・企業規模で見る】
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士の平均給与は
416万円
(年齢:20~59歳の平均)
【出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)令和4年賃金構造基本統計】
令和4年賃金構造基本統計データを加工して作成
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士の年収は
日本の平均年収よりも約30万低い状況です。
リハビリ職の令和4年度平均給与についてはこちらの記事でまとめております。
給与所得者の給与が増加する要因として、【年次昇給】や【管理職手当】などが主でしょう。訪問リハビリなどでは、業務量に応じて給与が変動する【出来高式】を採用している事業所もあります。
同じ職場で長く働く条件を考えたとき、収入は重要な要素です
目次
管理職の年収はどれくらい?
管理職手当 、年次昇給の手当て×管理職としての経験年数
管理職手当、年次昇給額を12ヶ月分と賞与率に掛けた分が
管理職としての年収増加分です
詳細は、自社の給与規定を確認しましょう。
管理職になることで管理職手当だけではなく
年次昇給額に手当てがつくかどうかが重要です。
年次昇給に手当てがつくことで、経年的に一般職との年収差が大きくなります。
管理職として昇給額に手当てがなければ、一般職との差は管理職手当のみで一定だからです。これでは、管理職として仕事を続けるうまみは少ない気がします。
仮に、管理職手当が2万円で、賞与にも反映されるとし、賞与率が基本給の3ヶ月分としたとき
2万円×15ヶ月分=30万円 となります。
年次昇給にも手当がつく場合
仮に1000円つくとすると、年間1万5000円で一般職よりも増加。
管理職経験が10年とすると、一般職との年収差は45万円です。
※事業体によって、給与規定が異なる為、自社の給与規定を確認しましょう。
管理職を目指している方は、こちらの記事もどうぞ。
管理職を目指して、入職4年目に管理職になった私の行動を解説しています。
管理職の待遇の注意点
残業代が出なくなる場合がある―――しかしっ
管理職の立場によっては、残業代が出なくなる場合があります。
これは「労働機銃法上の管理監督者に当てはまる場合です」
- 労働時間などが関係ない重要な職務内容
- 時間・休日・休憩の関係がない責任と権限
- 労働時間の規制になじまない勤務実態
- 賃金などがふさわしい待遇
実際、ここまでのレベルの管理職は少ないと思います。
少なくとも、現場も見る必要のある、バイプレーヤーな管理職は
残業代は支払われるのではないでしょうか?
管理職手当で年収増加による所得税率での手取り減少はない
日本は超過累進課税制度で、段階的に税率が決められています。【国税庁 所得税率】
所得税率増加による手取りが減少することありません。
長く働く職場の条件
- 安定した昇給が見込める
- 年次5000円以上の昇給がある
- 管理職が見込める
- 管理職になることで昇給にも手当がつく
- 人間関係が良好
- 身体的負担が少ない
- 自分の身体に心配がないこと
- 労働環境が整っている
長期的に働く職場を考えたとき、基本給と共に昇給に目を向ける必要があります。
10~99人の事業規模の昇給額は3000~4000円程度のようです。令和4年賃金構造基本統計データを加工して引用
これより、5000円以上の昇給が見込める事業所は継続して働く魅力となると思います。
条件:5年間で賞与率は基本給3ヶ月分、昇給は基本給につくものとする
年次昇給3000円の場合
3000×5年×15ヶ月【12ヶ月と賞与率3ヶ月分】=225,000円年収アップ
年次昇給5000円の場合
5000×5年×15ヶ月【12ヶ月と賞与率3ヶ月分】=375,000円年収アップ
5年間で年収15万円の差
就職時、基本給に1万円の差があっても、昇給の額次第では
収入は逆転し、その差は拡大していきます。
一時的な経験の為に、就職先を選択することは良いと思います。
しかし、長期的な就業を目的としたときに、昇給額に目を向けることを忘れないようにしましょう。
自社の給与規定で、長期間就業するメリットがない場合は、転職活動をおススメしています。情報収集することで、より良い職場を探しましょう。
転職エージェントを活用して、効率的な転職活動を行いましょう。
PTという職業の立ち位置は?
- 国家資格で、医療・介護保険上の報酬がある
- 医療・介護保険下での仕事は安定しているが、極端な給与の上昇はない。
- 2019年の報告では需要数に対して供給数が上回っている。
- 医療・介護分野以外の仕事もある
理学療法士の資格は法律によって定義されている
第二条 この法律で「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう
理学療法士はこのように定義されています。つまり、この法律によって理学療法士という国家資格が保護されています。
理学療法士の報酬はどこから出るの?
理学療法士として給与は勤務先から支払われます。勤務先への支払いはどこから支払われるのでしょうか?
- 患者・利用者
- 費用の1~3割を、実費として支払う
- 診療報酬・介護報酬
- 医療医保険・介護保険から支払われる
これらの料金をもとにして、勤務先から給与が支払われます。
これらは、国の制度として点数が設定されている為、どこでも同じ料金で同様の医療・介護サービスを受けることができます。
PTの給与は制度で設定された点数のもと、各事業体ごとに規定しています。
理学療法士の職業としての待遇改善・保護を考えたとき、
制度自体を考えることに介入しないといけない為
理学療法士を代表する政治家が必要になります。
2023年1月には、理学療法士の田中まさし氏が
参議院議員に繰り上げ当選を果たしており、理学療法士の代表を送り出しています。
理学療法士の年代別平均給与は?勝ち組年収は?
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士の年代別平均給与
【出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)令和4年賃金構造基本統計調査を加工】
平均年収は、55~59歳で555万円と最大になります。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士の
平均年収は416万円(20~59歳の平均)
年代別でみた場合35~39歳の平均年収が440万円となり、
20~59歳の平均年収を超える年代になります。
勝ち組年収をどのように定義するかで考え方が変わると思います。
ここでは、年収上位20%の平均を算出してみます。
勝ち組年収 年収上位20%の平均は約523万円
別の記事では、もう少し詳細にデータに触れています。
興味がある方は、こちらのリハビリ職の年収についての記事もご参照ください。
本気で年収を上げたい方は、目標の考え方と計画の例を挙げています。
こちらの記事もご参照ください。
リハビリ職年収上位トップ10とその属性
順位 | 年収(万円) | 年齢 | 経験年数 | 企業規模 |
1 | 774 | 50 ~ 54歳 | 1~4年 | 10~99人 |
2 | 721 | 55 ~ 59歳 | 15年以上 | 1000~ |
3 | 693 | 55 ~ 59歳 | 10~14年 | 1000~ |
4 | 683 | 45 ~ 49歳 | 10~14年 | 10~99人 |
5 | 631 | 50 ~ 54歳 | 15年以上 | 1000~ |
6 | 621 | 40 ~ 44歳 | 0年 | 1000~ |
7 | 586 | 55 ~ 59歳 | 15年以上 | 100~999人 |
8 | 581 | 45 ~ 49歳 | 15年以上 | 1000~ |
9 | 556 | 35 ~ 39歳 | 15年以上 | 1000~ |
10 | 554 | 55 ~ 59歳 | 5~9年 | 10~99人 |
【出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)令和4年賃金構造基本統計調査を加工】
令和4年度の調査結果では、年収1位と6位の属性にイレギュラーな印象を持ちます。
傾向としては企業規模が大きくて、経験年数・年齢が高いと年収が高くなる傾向です。
年功序列の傾向は変わりありませんね。
勝ち組年収ここに到達するかどうかを把握する為には
自分が置かれている状況を把握する必要があります。
現在の給与規定を把握し、年収と昇給のペース、賞与率などから
どの年代でどの程度の年収か計算することができます。
リハ職年収低位ランクTop10 【経験年数5~14年内】
リハビリ職は経験年数に応じて、収入が増加する傾向にある為
経験年数5~14年内の低年収ランクを提示しています。
この属性だから、悪いというわけではありません。
このような傾向があるということをライフプランの参考にしていただければ幸いです。
本データの年収には時間外手当などは含まれていません。ご留意ください。
順位 | 年収 | 経験年数 | 企業規模 | 年齢 |
1位 | 361 | 5~9年 | 100~999人 | 50 ~ 54歳 |
2位 | 369 | 5~9年 | 10~99人 | 25 ~ 29歳 |
3位 | 383 | 5~9年 | 100~999人 | 55 ~ 59歳 |
4位 | 385 | 5~9年 | 100~999人 | 25 ~ 29歳 |
5位 | 395 | 10~14年 | 10~99人 | 30 ~ 34歳 |
6位 | 396 | 10~14年 | 10~99人 | 50 ~ 54歳 |
7位 | 400 | 5~9年 | 10~99人 | 45 ~ 49歳 |
8位 | 400 | 5~9年 | 100~999人 | 30 ~ 34歳 |
9位 | 402 | 5~9年 | 10~99人 | 35 ~ 39歳 |
10位 | 405 | 5~9年 | 1000~ | 25 ~ 29歳 |
【出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)令和4年賃金構造基本統計調査を加工】
- 中・小規模の企業が多い
- 経験年数14年以下で年齢が45歳以上が4割程度(おそらく社会人経験者)
- 経験年数が少なく、企業規模が小さい傾向(順当な傾向)
傾向としたら順当です。
この中で、気になった点をCheckします。
- 経験年数、年齢区分が同じで、企業規模が違う
- 2位、4位、10位の順で企業規模が大きくなる
- 2位と10位の年収差が36万円
企業規模の大きい方が、年収が多いみたい!!
- 企業規模は同じ
- 年齢と経験年数は隣り合っている
- 2位の世代は、時間経過で5位になる
- 2位と5位の年収差は26万円 これが昇給分と推察
経験年数区分が5年で
26万÷5年=5.2万円の昇給
賞与にも反映されて、賞与率3ヶ月分とすると
5.2万円÷15か月分=約3400円
毎年の昇給が3000~4000円くらいなのでしょうか。
年収が少ない傾向の場合の確認と対策
長期的な就業を目的としたとき、以下のケースに当てはまる場合は、対策を検討してみても良いかもしれません。
- 小規模企業で基本給増加や昇給が見込めない場合
- 30歳代前半で平均給与416万円に届かない場合
- 年収は平均並み程度だが、時間外業務が多いなど負担がある場合
- 上記以外でも現在の給与に不満がある場合
年収アップの方向性の2つとして転職と副業があります。
保険制度下での仕事は安定しているだけに、給与の上昇は少ないです。事業的に設定されている給与体系は変えることが困難なので、働く場所を変える必要がありますが、前述したとおり、PTは供給過多の状態です。すぐに転職ではなく、希望する就職先があれば、転職できるように情報収集と自己研鑽に励むと良いでしょう。
情報収集には転職エージェントがおススメです。
こちらの記事も参考にどうぞ。
2023年3月17日公開(更新)された、令和4年賃金構造基本統計調査を基にした
最新のリハビリ職の平均年収についてはこちらの記事にまとめています。
年収がすべてではない
仕事をする目的は人それぞれです。やりがい、目標、さまざまあります。
私自身、新卒後5~6年はがむしゃらに勤めてきました。しかし
生活するうえで、お金の問題は切り離せません。
収入に無関心でいれば、バランスが崩れるタイミングがあります
暮らし方・仕事のバランスをとる為にも
将来収入を想定できるように、給与体系や昇給規定がどのようになっているか
知っていても損はありません。
私は、調べたうえで納得して現職場を継続することを選びました。
是非一度、確認してみて下さい。
マネジメントのすゝめ
もし、リハビリ管理職の方で、マネジメントについて勉強したことがない方は
(管理職じゃなくてもですよ)
マネジメントについての勉強をおススメします。
部署運営の目標設定や考え方について多くの知見を得ることができます。
マネジメントは考え方です。
知らないときと比べて
自分自身の仕事を見詰めなおすことができました。
マネジメントを学ぶことで
- 運営に役立つ
- 自己管理に役立つ(セルフマネジメント)
- 臨床業務に役立つ
理学療法の実践とマネジメントの仕事は共通点が多いです
患者の管理か、部署の管理か。考え方ひとつです
学ぶことで思考の幅が広がりますよ、興味がある方はご参照ください。
理学療法士の勝ち組年収を考える意味は何!?
理学療法士の中で、勝ち組年収を考える意味は何でしょうか?
多くの方は、いつまでにこれくらいの年収が欲しいという
目標設定になると思います。
収入が多ければ多いほど生活が充実する訳ではないですが
生活の土台に安定感が出ますよね。
多くの場合、職場を選んだ段階で、将来的な年収が決まってきます。
特に新卒で、就職活動をする方々は
自分の納得する方向性で職場選びをするとよいでしょう。
職場選びの方向性の1つとして
【新卒PT・OT・ST・CO】就職活動の方向性【企業規模で考える】の記事も
ご参照ください。
「年収を上げる」を具体的に考えていきたい方はこちらの記事をどうぞ。
管理職になりたいとお考えの方は、こちらの記事をどうぞ。
参考になれば幸いです。
年収を考える意味は?
- 職場選びの参考
- 人生設計の土台になる
- 目標の年収と比較する
理学療法士として給与をもらう人の多くは
診療報酬・介護報酬という制度の下で働いています。
働く現場は、急性期・回復期・慢性期病院、医療保険・介護保険、通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション等々
働く現場によって当然給与は変化しますが、ある程度決まってしまいます。
状況が安定的な職種である為、待遇が大きく変化することは少ないでしょう。
仕事をして給与を得るにあたって
自分の優先順位は何かを考えて、職場選びを考えることが大切です。
医療保険領域と介護保険領域での年収の差についてはこちらの記事に記載しています
勤め先に何を求めるのか?
- より多くの収入
- 仕事のやりがい
- ワークライフバランスがとれる
- キャリアアップ(理想の経験が積める)
- 働く地域
職場選びのポイントは人それぞれです。しかし、職場選択の希望が具体的であればあるほど、理想の職場探しができます。
就職先職場の探し方
自分と転職エージェントの両輪で探す
新卒なのか転職なのかによって、就職活動への考え方は変わると思います。
現場経験がある方であれば、就職先への希望などもより具体的になっていることでしょう。
自分の希望する就職先を探すためには、情報収集が大切です。
ハローワークやインターネットを活用した求人募集を探すことも良いでしょう。新卒であれば、学校に求人募集が来ています。
しかし、転職・就職という作業の中で
自分ひとりでできる情報収集には限界があります。
そこで、転職エージェントを活用しましょう!!
転職支援のプロであれば、様々な情報を持っている為、希望とすり合わせた転職先を提案してくれるかもしれません。
まとめ
- リハビリ職の給与は日本の平均より、約30万円低い
- 管理職の年収は、自社の給与体系を調べよう
- 年次昇給の手当てがつくかどうかが重要
- 年次昇給が少ない職場は長く勤めにくい
- 理学療法士は安定しているけれど、余る
- リハ職年収は職場で決まる。
- 事業が大きな職場に長く働くと、給与は高くなる傾向
- 長く勤めれない職場なら転職を考えよう。でも焦りは禁物
- まずは転職エージェントで情報収集
- 身体的に余裕のある職場なら、副業で年収アップを狙おう
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士の平均給与は
416万円(年齢:20~59歳の平均)【令和4年賃金構造基本統計調査を参考】です
自分の年収と比較していかがですか?目標金額には到達していますか?
給与所得者の収入をあげる方法は
昇給か手当を付けてもらうか、働く場所を変えるか
副業をして収入アップを狙う
副業に、興味のある方は別の記事もご覧ください。
ご拝読ありがとうございました。